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ドイツのフランクフルトで2012年5月21日、メディアに向かって話す反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者ポール・ワトソン氏(中央)=ロイター

 デンマーク自治領グリーンランドで今年7月に拘束された反捕鯨団体「シー・シェパード」の創設者ポール・ワトソン氏について、現地の裁判所は23日、勾留を11月13日まで延長する決定を出した。グリーンランドの警察当局が発表した。勾留の延長は4度目で、勾留は約3カ月に及んでいる。

 AFP通信によると、同氏の容疑は2010年、日本の調査捕鯨船に酸が入った瓶を投げ入れ、乗組員を負傷させたというもの。日本は傷害容疑などで国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配。同氏は7月、給油のために立ち寄ったグリーンランドで拘束された。日本は身柄の引き渡しを求めており、デンマークの司法省が検討を続けている。

 グリーンランドの地元メディアによると検察側は23日、逃亡の危険があるため、勾留が必要だと主張し、裁判所も正当と判断した。一方、弁護側は勾留期間が「容疑に対して不釣り合いだ」として釈放を求めている。同氏は決定を不服として上訴したという。

 シー・シェパード側は16日、同氏がフランスに亡命を申請したと発表。だが、AFP通信によると、フランスのバロ外相は18日、地元ラジオ局の番組で、亡命申請は亡命を求める国に本人が滞在していなければ有効でないとの見解を示した。(ブリュッセル=森岡みづほ)

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